カスタムモードでLaunchpadをボンゴに変えよう
- Kengo Shimizu
- 3月20日
- 読了時間: 4分
更新日:3月21日
新しいアイデアを書いたりデモを作成しているときに、こんな経験をしたことはありませんか?ドラム、ベース、ギター、キーボードといった基本的な要素をしっかりと組み立てたものの、曲の空間の中に何かが足りないと感じるということを。
まさにこの状況が、最近私たちにも起こりました。足りなかった要素は何か?それは ボンゴ でした。手元にはボンゴがなく、MIDIトラックを機械的に打ち込むのも、リアルな演奏感が求められるこの曲の緩やかな雰囲気には合いませんでした。そこで登場したのがLaunchpad です。
私たちのMIDIコントローラーの魅力のひとつは、あらゆる場面で隠れた解決策を見つけられることです。私たちの製品は、ユーザー自身が創造力を最大限に発揮できるよう設計されており、Launchpad シリーズも例外ではありません。
私たちの解決策は、Componentsの 内でカスタムモードを作成し、リアルなボンゴの演奏感をシミュレートすることでした。ボンゴの皮の異なる部分を表現し、パッドを手で叩いて演奏できることが必須条件だったため、すぐに制作に取り掛かりました。「Bongo Mode」と名付けたこのモードがどれほど成功したのか、ぜひ上の動画を見て確かめてください。ここからは、そのセットアップ方法について詳しく説明します。
このようなカスタムモードを設定する際のおすすめの方法 は、まず自分の目的に合ったソフトウェア音源を用意することです。 動画内のトラックでは、Ableton Live の「Bongo A」インストゥルメント(Abletonの Latin Percussion パックに含まれる音源)を使用しました。 「Bongo A」には、高音ボンゴと低音ボンゴのリアルなアーティキュレーションが収録されており、ピッチ調整をはじめとする多彩なカスタマイズオプションがあります。 今回使用したのは、高音・低音のオープンヒット に加え、スラップ、リム、ヒール、ティップの各サウンド。それぞれのMIDIノート番号を確認し、カスタムモードを構築するための基盤を整えました。
Launchpad を Components にロードし、新しいカスタムモードを作成します。まず、ボンゴの演奏感を再現するために、1つの「ボンゴの皮」を 4×4 のグリッドとして設定しました。これにより、Launchpad 上に 2 つのボンゴグリッドを斜めに配置できるようになり、演奏時に誤って別のサンプルを叩いてしまうリスクを軽減できます。グリッドのレイアウトは「2-2-4-4-2-2」とし、自然な演奏ができるよう設計しました。 次に、Components の MIDI Note カスタムモードウィジェットを使用し、Ableton Live の Bongo A インストゥルメントに対応する MIDI ノートを割り当てました。手での演奏に適した配置を考慮し、同じサンプルを複数のパッドに割り当てることで、より自然なパーカッション演奏を実現しました。主要な「オープン」サンプルはグリッドの中央に配置し、各サンプルを 4 つのパッドに同じ MIDI ノートでマッピングしました。これにより、最も頻繁に叩く部分に十分なスペースを確保し、手が確実に届くよう工夫しています。また、グリッドの外側にはスラップやリムショットなどの他のアーティキュレーションを配置し、ボンゴの皮の構造を参考にしながら、それぞれの音に 2 つのパッドを割り当てました。レイアウトが確定したら、同じ手順でもう一方のボンゴも設定し、完成です。こうして、Launchpad を使ったリアルなボンゴ演奏が可能になりました。

もう1つの重要な要素は、視覚的にわかりやすいものを作ることでした。そこで、それぞれのボンゴのカラーパレットにこだわり、グリッド内の音符の集まりごとに若干のカラーバリエーションを使いました。準備ができたら、あとは新しく作ったカスタム・モードをLaunchpad送り、Abletonでボンゴのインストゥルメントをロードして演奏するだけです。
最終的に、このアイデアはさまざまな用途に応用でき、私たちが選んだボンゴの音色に限定されるものではありません。ぜひ、この「Bongo Mode」 という新たな、もしかすると人生を変えるかもしれない発想を、自分の環境に合った形で活用してみてください。動画で紹介したセットアップを実際に試してみたい場合は、こちらからダウンロードできます。